左右の視線の向きや高さについては、両方がそろってバランスがとれていれば問題ありませんが、ズレを持っていたり、ズレがなくても、そろえるために必要以上のエネルギーを要する場合は改善が望まれます。
一つ、簡単な方法で体感してみましょう。
@遠方三メートル以上離れた水平の線(壁の梁やポスターの線など)を目標にします。
A顔の前で両手を合わせ、親指が鼻につくぐらいの位置にもってきて目標を見ます。
合わせた手を挟んで、水平線が右側と左側に分かれて見えます。
B次に、近くの距離50センチほどの水平な線(机やパソコンディスプレイの縁など)を目標にして、同じように行います。
遠方と近方、それぞれ左右に見えている線の高さはそろっていますか?まばたきを入れて見ると、一瞬、線がズレたりしませんか?人間の眼は、二つのものを一つにそろえて見ることで、奥行きや立体感などを得ています。
もし高さにズレがあるようなら、普段からものを見るとき、このズレをそろえようと余分なストレスをかけながら努力していることになります。
ここで、わりとよくある例を一つご紹介します。
友達の検査の付き添いで来られたBさんは、視力のよいことが自慢です。
友人の横で一緒に検査を受けてもらうと、たしかに視力はよく、視力検査で見えにくそうにしている友人に対し、Bさんには余裕で見えるという自信が見てとれました。
しかし、両眼視機能検査で左右の目線の高さのチェックをしてみると、高さはそろっていると答える友人を横目に、「えっ、これは高さが違っているものですよね」と不安げに言います。
つまり、Bさんは左右の目線の高さにズレを持っていたのです。
いくら視力がよくても、このズレを持っていると、頭痛や肩こり、疲れが起こりやすいということを説明すると、「実は、デスクワークはとても苦手。
疲れて困る。
でも視力はいいから、眼のせいだとは思わなかった」とのこと。
Bさんに、上下のズレを矯正するレンズ(プリズムレンズといいます)を付けて見てもらったところ、「楽に見える。
学生のときからこんな見え方だったら、もっと勉強できたのに」と残念がっていました。
専門的な検査は器械を使って行います。
ですが「視線チェックシート」でも行えます。
「視線チェックシート」は、中央にある一本の線に、手前から八センチ、10センチ、20センチ、120センチ、40センチ、50センチという区切りで目印がつけられています。
この「視線チェックシート」で、両眼の向き、左右の眼のバランス、眼位の水平位置のズレ、眼の筋力などの簡易的なチェックができます。
ただし、「視線チェックシート」を使ったチェックは最大限手を伸ばした距離の範囲内で行うものですので、{結果から】の内容はあくまでも近くを見る場合に関してであることを頭に入れておいてください。
早速、詳しいチェックに入りますが、最初は判定しにくい部分が出てくるかもしれません。
そのときは、はっきりした結果を出すことにこだわらず、次のチェックに進んでください。
・基本姿勢「視線チェックシート」(以下チェックシート)を手前から向こうへと伸ばして持ちます。
中央の線の手前側先端を鼻先につけて、眼の高さで水平にピンと伸ばすようにします。
チェックシートがたるまないように注意します。
チェックによって、文字目印および左右の企印を立てて使用する場合とねかせて使用する場合があります。
メガネを使っている人は、普段近くを見るときの状態で行います。
老眼鏡やデスクワーク用としてのメガネを使っている人はそれをかけて、近くを見るときにメガネを外す人は裸眼で行ってください。
それぞれの目印を見ると、目印を中心に線が二本見えて、それがX字型に交差して見えてくるはずです。
これは右眼と左眼、それぞれの網膜に映った二つの風景が同時に脳に送られるからです。
目印から手前に見えている線は、脳の中で逆転しているため、目印の手前左側に見える線が右眼からの情報、手前右側に見える線が左眼からの情報です。
線の見え方で、あなたの眼のクセが推測できます。
ここで線が二本見えない人も、途中途中に考えられる理由を説明していますので、次からのチェックを行ってみてください。
【左右の眼の向きを調べる】。
{方法}※文字目印と左右の企印はねかせてください。
@チェックシートのいちばん遠い目印企に視点を合わせてください。
自然体で10秒間ほど見ます(以下、目標を見るときの見方と時間は同様にしてください)。
二本の糠はどこで交差しているでしょうか?・ちょうど目印のところでX字型を描いている。
・目印の手前で交差している、または手前で交差し目印が二個見える。
・目印の向こう側で交差している、または向こう側で交差し目印が二個見える。
A次に、いちばん手前の八センチのところの目印・に視点を動かします。
・ちょうど目印のところでX字型を描いている。
・目印の手前で交差している、または手前で交差し目印が二個見える。
・目印の向こう側で交差している、または向こう側で交差し目印が二個見える。
[チェック1]左右の眼の向きを調べる。
※文字目印と両サイドの&印はねかせておく。
・目印を見る。
<目印企を見たときの見え方>(文字目印は省略しています)。
・印のところで交差している。
・目の手前で交差している。
・目印の向こう側で交差している。
現実のものにしっかり眼を向けているタイプです。
・二本の線が目印より奥で交差している、あるいは見たい目印が交差点の手前に二個見えるものを見るとき、目線が目標より遠くへ行きやすい眼です。
包むような見方といえますが、気が散りやすい傾向もあります。
・二本の線が目印より手前で交わる、あるいは見たい目印が交差点より奥に二個見える目線を目標より近くに向けている眼です。
ある意味で集中力が高い眼といえますが、それが過多になりやすく、見つめすぎて周りが見えなくなる傾向もあります。
いずれもチェックシートで目印から大きくずれているような場合や、目印が二個見える場合、気合いを入れてなんとかそろえている場合などは、デスクワークでの持続力がない、まばたきのたびに集中力が途切れる、頭痛や肩こり、疲労が起こる、遠方視力低下の速度が速いといった傾向を持っています。
改善方法は、筋力の有無といった他の要素も見て決める必要があります。
【左右の眼の「見る気」のバランスを調べる(左右の視力が同一とした場合)】。
【方法】※文字目印と左右の企印はねかせてください。
@目印A、圏、・を順に見ていきます。
二本の線の色の濃さはどのように見えていますか。
・二本の線が同じ濃さで見える。
・一方の線が濃く、もう一方が薄く見える。
このほか、目印によって線の濃さが変わる人、同じ目印を見ていても二本の線の出方が変化する人、線が一本しか見えない人などもいると思います。
【結果からの原因と改善へのヒント】。
・二本の線が同じ濃さで見えている。
左右の眼でバランスよく見ている人といえます。
・どちらか一方の線が濃く見えて、もう一方は薄く見える。
左右の眼の「ものを見るバランスが違う」ことを意味し、その距離では線が濃く見えるほうの眼(右側の線が濃く見えるなら、左の眼)を主に使ってものを見る傾向が強いこと自分の眼の使い方を知る。
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